新富弘美術館設計競技応募案-----2002.01
山あいの村の星野富弘さんのための美術館。われわれは、この地に美術館の新しい形式またはかたちを生み出すことに疑問を持った。われわれが提案しているのは美術館ではない。中心となる、村の公園である。それは、必然的に生まれる「広大な駐車場」という場所を公園化したものである。それと対をなすように美術館は収蔵庫のように存在する。このことによって、もうひとつの課題であるバリアーフリー=フラット化が押し進められている。
公園の新しいかたち。自然そのものでなく、人工そのものでない。バーコード状に並べられたミニスペースにマテリアルが採取される。土、砂、緑、花、水。そしてそれを使用してアートが展開される。ミニスペースは時と共に変化していく。時には、そこはアートスペースになり、時にはコンサートが催され、時には、地域の即売所になる。そういった、人々の交流の場がつくられることが富弘さんの施設をつくる上でもっとも 重要である、とわれわれは今でも思っている。