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熊野古道センタープロポーザルコンペ応募案-----2003.12------佳作

このプロジェクトは、熊野古道の過去、現在、未来をつなぐためにある。 古道を守り継承していこうとする精神に呼応するように、本計画は、自然環境を守り継承していくこと、そしてその環境に、「建築が近付いていくかたち」をみつけようとした。山林屋外空間を背景とする裾野に位 置するこの敷地を森林化していき、山との連続性をつくることで、山への玄関口とした。切土盛土を少なく、自然の起伏を大事に森をつくり、そこに2本の道を通 している。道は、海からのみちと、町からのみちであり、アプローチ動線であるとともに、山や自然と人をつなぐものと位 置付けている。そして、道の交わる場所に施設を置いた。施設は、安易に地下をつくらず、平屋でなく2階建とし最小限にすることで、森の中に共生していくことを目指している。 森の木漏れ日を範として、木材と光による新しい内部環境を目指している。濃淡のある光の面 が、硬質でない柔らかい光を全体につくりだす。それは古道を歩むときの光の状態にも近いものだろう。